本館 14F
天ぷら
木挽町 天國
「江戸前天ぷら」への
こだわりを徹底して貫く
創業130余年の歴史をもつ「木挽町 天國」は、江戸前天ぷらの伝統を今に伝える老舗の一軒。名物は、独自の揚げ方で作る大きなかき揚げ。東京湾で獲れたアナゴなど天然ものにこだわる魚貝や、ごま油で揚げるきつね色の衣、辛口の丼タレなど、随所にまで先代からの教えが息づいています。
HISTORY
天國の歴史
始まりは、銀座の天ぷら屋台。
職人の技を現代に受け継ぐ
「木挽町 天國」の創業は、1883年。初代の露木國松氏が、現在の銀座4丁目にあたる場所で、天ぷらを売る屋台を開業したのが始まりです。明治時代の天ぷらの屋台では、大きな丼に入った天つゆと大根おろしが置かれていて、串の刺さった天ぷらをセルフサービスで浸して食すスタイルが主流だったそうです。その後、國松氏の長男である米太郎氏が後継者となり、「木挽町 天國」として、今日までその暖簾を守ってきました。米太郎氏は、15歳より父のもとで天ぷら一筋に腕を磨いてきた生粋の職人。氏の技術を継承し、伝統的な江戸前の天ぷらを提供しています。
職人の妙技が作り出す
芝エビと小柱のかき揚げ
創業から130年以上続く名物が、ふんわりとした衣の中に具がぎっしり詰まったかき揚げ。東京湾で獲れる江戸前の魚貝を使って作っていたのが始まりで、具材は芝エビと小柱、三つ葉のみ。均一な厚みのある形に仕上げるために、秘伝の揚げ方があると言います。衣をくぐらせた具を油の中に2度に分けて流し入れることで厚みを出し、裏返して割りながら空気を入れ、形を整えていくというもので、「木挽町 天國」では通称一発揚げと呼ばれており、短時間で一気に衣の水分を飛ばす独特な揚げ方なのだそうで、熟練した職人のみが許される技術の傑作です。
PROFESSIONAL
こだわり
揚げ油はごま油100%
独自配合で素材の持ち味を活かす
江戸の伝統的な天ぷら店のやり方を踏襲し、同店の揚げ油は、ごま油を100%使用。油切れがよくからっと揚がり、風味よく仕上がるのがその理由です。現在は、焙煎度の異なるごま油を独自にブレンドするほか、揚げる食材や季節などによってその配合を微調整。例えば春の山菜は、繊細な香りを活かすために太白ごま油を多めにしています。また天ぷらは、同じ素材でもカットした大きさや厚み、水分量、揚げ油の温度や鍋の深さ、火力の強弱などで揚げ時間が変わってきます。これをつねに一定の品質になるようにコントロールして揚げるのが、一流の職人の腕の見せどころなのです。
天ぷらの美味しさを決める
ふわっとしたきつね色の衣
「木挽町 天國」の天ぷらは、きつね色のふわっとした衣に大きな特徴があります。米太郎氏は著書の中で「天ぷらというものは、油と衣と魚の三者が合体してこそはじめて本当のうまさが出る」と語っており、食材の旨味や水分を閉じ込めるため、最適な衣の状態を日々調整しています。吟味した小麦粉に卵を多めに加えた衣はやや粘度があり、揚げ上がりはふわっと軽い食感。卵の割合や水の温度は特に気を遣うポイントで、カリッとした薄衣の天ぷらとはまた、ひと味違う伝統の味わいを楽しめます。
SHOP INFO店舗情報
天ぷら 木挽町 天國
※2021年5月時点の情報です。