日本のタイ料理店ではあまりお目にかかれないチェンマイの名物料理が『チェンマイガパオ（ガイ・トード・ガパオ・クローブ）』。創業者がタイの屋台で出合って惚れ込み、何とかレシピを教えてもらえないかと通い詰め、タイ人の料理長と一緒に試行錯誤して現地の味を再現したという思い入れのある料理です。日本でポピュラーな挽き肉を使うガパオとは異なり、鶏もも肉を揚げ焼きにしたフライドチキンに、素揚げしたホーリーバジル（※＝ガパオ［ハーブ名］）をたっぷりとのせ、ゆで玉子とハーブのきいたソースを添えるのが特徴。スパイシーなチキンに清涼感のあるハーブのソースが加わって、クセになる味わいです。

チェンマイの料理でもう一品、特徴的なのが『ゲーン・ハーンレー』。生姜のきいたチェンマイスタイルのポークカレーで、千切りの生姜とピーナッツが入る独特のスタイル。スープカレーのようにさらっとしたテクスチャーなので、スパイシーなのに後味は軽やか。タマリンドの甘みや酸味と、生姜のピリッとした辛味、ゴロゴロっとした豚バラ肉のジューシーな旨味が複雑に絡み合い、深い余韻を残します。ジャスミンライスと相性がよいのはもちろん、蒸したもち米「カオ・ニャオ」と合わせれば、より現地流の食べ方で楽しめます。

スパイスとハーブのハーモニーを味わうならば、『ラープ・ムー（豚ひき肉のスパイシーハーブ和え）』を。「ラープ」とはおめでたい意味の言葉で、チェンマイでは結婚式などお祝いの席で出されることが多い料理だそうです。豚挽き肉とハーブを、唐辛子やナンプラー、レモンなどで調味したサラダ感覚の和え物で、炒ったもち米の粉末「カオ・クア」の香ばしさもおいしさのポイント。もちろんお酒との相性も抜群です。タイビールやメコンウイスキー、タイのワインクーラー「スパイカミカゼ」などのお酒や、バタフライピーといったオーガニックハーブティーなど現地ならではのドリンクと一緒に楽しめば、異国情緒をさらに高めてくれるでしょう。